
「らしさ」を伝えるストーリーで、採用から引き合い獲得まで、多方面に情報が伝播
AIQ株式会社
「どこに行こう」、「何を食べよう」。そう考えるとき、私たちは自然とSNSで情報収集をするのではないのだろうか。
そうした生活の記録や、情報収取ツールとして活用されているSNSを「個人の趣味嗜好を映し出すビッグデータ」と捉え、独自のAI解析によるプロファイリングなどを行う企業。それがAIQ(アイキュー)株式会社だ。
AIビジネス界は今、「第三次AIブーム」と呼ばれるように、多くのスタートアップ企業が乱立している。その中で急成長中のAIQは、企業バリューに共感できるマインドとスキルを兼ね備えた人材の採用を目指し、Forbes JAPAN CAREER への掲載を決めた。 「掲載後には、いくつかのうれしい誤算があった」という同社の人事・楡井三樹氏に、その内容を聞いた。
課題:成長著しい業界ゆえに他社との差別化が難しく、仕事の面白みやマインドが伝わりづらかった。また採用エージェントの企業理解が浅く、応募のミスマッチが相次ぎ、なかなか採用にいたらなかった。
求めた人物像:企業バリューに共感するマインドとスキルを兼ね備えた人。AIQらしさを共有し、自ら仕事を楽しむことができる人
効果:応募者および採用エージェントに企業理念・文化が浸透。応募のミスマッチが減少し、面接でより深い話ができるように。また、広く経営層にも読まれ、新たなビジネスチャンスにつながった。
AIQの Forbes JAPAN CAREER 掲載記事はこちら>>
ユーザーの深層心理を可視化。「プロファイリングAI」で創る、次代のプラットフォーム
「スキルが合致しても、共感でミスマッチが多い」という現実
楡井:AIQのビジネスフィールドは、AIという今まさに注目を集めている分野。多くのエンジニアが興味を持ってくれるものの、様々なプレーヤーが乱立しているため、他社との差別化に苦労していました。ある程度の応募数はあっても、そこから「AIQらしさ」に共感できる人を見つけ出し、採用にいたるまでには、とても長い道のりがあったのです。
採用において、私たちはスキルと同時に、マインドを大切にしています。どんなに高いスキルを持つ集団であっても、そこにマインド、つまり会社への「共感」がなければ、強い組織にはなり得ない。これは、創業者である高松睦(代表取締役社長CEO)と渡辺求(副社長COO)の考えです。
この2人は、一部上場企業の元上司部下で、リスペクトし合い、様々なビジネスの局面を共闘してきた間柄。だからこそマインドの重要性を理解しており、「9つの愛」と呼んでいる大切な価値観を掲げるにいたったのでしょう。私自身、「アイキュー(愛・9)」という社名にちなんだ“音遊び”を活かしたバリューに共感して入社を決めた1人なんですよ。
AIQのバリュー「9つの愛」
「こだわり」を愛する/「お客様」を愛する/「創造性」を愛する
「挑戦」を愛する/「対話」を愛する/「先端技術」を愛する
「夢」を愛する/「仲間」を愛する/「勇気」を愛する
一方で、多くの採用サイトやエージェントでは、企業文化や理念よりも、もっと定量的な情報をベースとした「求人票」で人を集めることが多いものです。たくさんの人に一斉に仕事内容や条件などの情報を伝えられるメリットがある反面、その情報ではマインドなど、会社として大切にしていることまでは伝わりません。
その弊害として、「仕事」に興味を持って面接に来てくれたものの、「企業理念や文化」に共感できず、採用にいたらないということが多発するわけです。これは、応募者にとっても企業にとっても大きなロスです。 もっと幸せな出会い方ができないものか。
それを叶えるために、私たちが選択したのが Forbes JAPAN CAREER でした。ここであれば仕事内容や条件だけでなく、「AIQらしさ」をもっと多角的に伝えてくれるのではないか、そんな期待を込めて掲載を決めたんです。

仕事・人・背景という「立体的な情報」の発信が、スクリーニングに貢献
結果として、Forbes JAPAN CAREER で記事が掲載されてから、応募者との面接はとても深い内容に変化しました。これは、応募者が事前に記事を読むことで、ある程度のマインドを事前に共有できたからでしょう。面接中の質問内容も変わり、双方にとって企業理解のいい資料になってくれたと感じています。
ある面接で、「AIQは、創業当時のソニーのような社風なんですね」と言われたことがありました。ソニーの創業メンバーである技術者の井深大と営業マンの盛田昭夫の信頼関係や、“自由闊達にして愉快なる理想工場”を目指した社風。それらを、AIQにも感じたのだというのです。
これは記事の中で経営陣が語った、「エンジニア・営業・企画の円滑なコミュニケーション」やトップメッセージがしっかりと伝わった証拠です。実際に記事の掲載以後、私たちのカルチャーを魅力的だと感じた応募者が、誰もが知るメガベンチャーとAIQで「どちらに入社するか迷う」というケースが出るようになりました。自社の魅力で企業規模の壁を乗り越えられる兆しが見えて、とても嬉しかったですね。
その中で1名が入社に至ったのですが、彼からは「エンジニアと営業・企画が尊重し合って、一緒に良いものをつくろうとしている環境がとても魅力的だと感じた」「ここにいた方が面白いことができそうな気がした」と言われ、メガベンチャーとの人材獲得競争でも互角に渡り合えるんだという自信につながりましたし、採用ブランディング施策の手ごたえを感じるようになりました。
もう一つ、エージェントのスクリーニング精度が格段に向上したのは、うれしい誤算でしたね。これまでも企業理念や求める人材像を説明してきたつもりでしたが、企業担当から求職者担当を経由し、そこから求職者へ伝わるまでに情報がどんどん希薄になっていたのです。
Forbes JAPAN CAREER はそれを見事に補完し、「どのような考えを持つ企業なのか」を、エージェントにダイレクトに伝えてくれました。これによりエージェント側でも、スキルだけでなくマインドを含めたスクリーニングがより機能するようになったのです。 往々にして、採用媒体では職種や雇用条件など画一的で無駄のない的確な情報を発信します。
しかしそれでは社風やマインドまでは表現しづらい。一方のForbes JAPAN CAREERでは経営陣の考え、人となり、創業の背景、企業文化、理念などを1つのストーリとして発信できるので、組み合わせることでより立体的に「AIQらしさ」が伝えられます。そこが、マインドを大切にするAIQと非常に相性が良かったといえますね。

記事活用で、経営メッセージの社内浸透と、ビジネスチャンスの発掘を
楡井:掲載前後で見ると、応募数の増加というよりも、企業の理解度・認知度向上に手ごたえを感じています。先に紹介したように、誰もが知る会社の内定を辞退して当社を選んでくれる候補者が出たのも効果の1つです。
実はこの掲載をきっかけに、経営者同士の会合などで「面白いことをやっているんだね」と経営陣が声をかけられ、新たなビジネスの引き合いを得るということもありました。
これには高松や渡辺も「みんな見ているんだね」と驚いていましたね。まさに経営者やビジネス感度の高い読者を持つForbesだからこその効果なのかもしれません。今後、採用以外にも、新たな出会いを引き寄せてくれるのではないかと期待をしています。
また、社員数が急増しているAIQでは、社員の企業理解を深めるツールとしても活用していきたいと考えています。トップメッセージの伝達は社員数が多くなれば難しくなるもの。なるべく直接語り掛けることを大切にしつつ、社員がAIQのマインドを再確認するためにこの記事を読むというような使い方ができるはずです。
私たちの名刺には、社員それぞれが自分の好きな「9つの愛」の1つを記載しています。これも、ちょっとしたマインドの思い出しツールなのですが、これと同様に、Forbes JAPAN CAREER の記事も、いい振り返りツールになってくれるのではないかなと思います。今後も採用、新規ビジネス開拓、そして組織強化など、多方面でコンテンツを活用していきたいです。

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