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採用に特効薬はないから──記事を通じた転職潜在層へのアピールで、「タネ」を多方面に撒く

マイクロソフトとアクセンチュアのジョイントベンチャーであるアバナード。ビジネスコンサルからアナリティクスとAI、クラウド&アプリケーションサービスなどさまざまな分野でソリューションを提供し、顧客の課題解決をリードしている企業である。

実は、アバナードの社員数は直近の4年間で300人から700人まで増えている。この事実からも、アバナードが急速に事業成長を遂げており採用を強化していることがわかる。

「採用市場での知名度にはまだまだ課題を感じる」というアバナードが順調に採用を重ねてこられたのは、短期的視点と長期的視点の両方を持った上でさまざまな施策にトライし、採用活動の種まきを丁寧に行ってきたからだ。

トライの一環で、Forbes JAPAN CAREERへの掲載も実施したアバナード。掲載による効果やアバナードの採用観について同社の三井氏に話を伺った。

課題:会社の知名度や認知度に課題を感じていた。またコンサルティングを行う立場上、クライアントや案件の情報を具体的に公開することができず、携わるプロジェクトの規模感や仕事のイメージを候補者に伝えることが難しかった。

求める人物像:クライアントの課題解決やビジネスの創出をサポートするビジネスコンサルタント。現状にとどまらず、イノベーションを起こすことのできるマインドの人

自社で行なった二次活用:エージェントへの共有、採用候補者への共有、社内共有、自社SNS発信、パンフレット増刷による営業シーンでの活用

効果:1名の採用決定。採用候補者に記事を案内した他、パンフレットも作成して採用イベント等で配布。また、エージェントにも共有することで、アバナードへの理解を深めて今後の紹介の参考にしてもらった。

アバナードの Forbes JAPAN CAREER 掲載記事はこちら>>
革新的、かつ高収益。世界屈指の知能と技術を併せもつ異能集団、アバナードの正体
「非合理的」が、最大の強みである──KADOKAWA未踏の挑戦を支えたアウトローなコンサル集団とは

数百人の採用活動と並行して、向上心の高い転職潜在層に向けたアプローチも

アバナードは社員数は700名程度(2021年9月現在)ですが、私が入社した3年前は300名程度。この4年間で約400名の採用を行い、組織として急拡大を遂げてきました。とはいえ、まだまだ採用市場においてアバナードの知名度や事業内容の認知度は高くなく、課題を感じています。

というのも、コンサルティングを行っている立場上、守秘義務があるため事例としてクライアントの情報や取り組みを公開することがなかなかできません。求職者に「どのようなクライアントを支援しており、どれほどの規模感のビジネスを手掛けているのか」を伝えづらいことに悩んでいました。

そこで会社のカルチャーや働くメンバーの雰囲気を出来る限り伝えられたらと、単に条件面だけを掲載する求人広告ではなく取材記事をメインとした採用媒体への掲載にも積極的に取り組んできました。

さまざまな採用手法を試す中で、転職潜在層へのアプローチにも注力していました。転職サイトに登録するなど直近の転職を見越した行動は起こしていないものの、自身のキャリアアップには意欲的で「世の中を変えていきたい」、「イノベーションを起こしたい」という思いを持つ向上心の高いビジネスパーソンは多い。

彼らにアバナードを知ってもらうことで、将来の転職先候補に含めてもらえればと思ったためです。ターゲットとしたい転職潜在層は、情報収集にも積極的でビジネス系の媒体もよくチェックしている印象がありました。そこで転職潜在層へのアプローチと認知度向上を目的としてForbes JAPAN CAREERへの掲載も決めたのです。

Forbes CAREERへの掲載の経緯を話す、アバナード社 採用担当 三井氏

掲載して終わりにしない。各方面へ記事を拡散、抜き刷りも増刷

Forbes JAPAN CAREERに掲載された1本目の記事は、当社の代表取締役である安間がアバナードの企業文化やビジョンなど会社の全体像、そして仕事への哲学を語るものでした。

アバナードの1本目の掲載記事はこちら>>
革新的、かつ高収益。世界屈指の知能と技術を併せもつ異能集団、アバナードの正体

トップから発信したいメッセージがまとまった記事になりました。驚いたのは、写真のクオリティ。レイアウトなどもイメージ通りで、これまで撮影いただいた中でもダントツにカッコよく仕上がっていました。

掲載後、応募もあり採用決定も出ました。さらに直接的な採用実績以外のメリットも実感しています。

たとえば、エージェント経由で紹介いただいた候補者や他の媒体から応募のあった候補者から「Forbesに掲載されていた記事を読みました」と話してくださったことがあって。記事を読んでアバナードの事業内容や企業文化への理解を深めてくれていたことは、選考をスムーズに進める上でプラスに働いたと思います。

当社への志望度が高い候補者は、アバナードに関する情報収集を積極的に行い、記事にも辿り着いてくれます。一方、志望度がそれほど高くない方や転職自体に現時点で積極的でない方は、積極的に情報を探さないもの。

そこで、魅力的な候補者の方に対しては当社側から「代表のインタビュー記事なので、よろしければご覧ください」と、能動的にも記事を案内しました。

「Web上に掲載されて終わり」ではもったいないですよね。そのため、記事を紙のパンフレットに印刷して採用イベントでも配布しました。ただ、コロナ禍ではオフラインの採用イベントに参加する機会が無くなっため、今後はPDFなどの形式で配布することも検討しています。

対候補者だけでなく、対社内でも掲載効果は感じました。当社では毎回取材記事が掲載されたときには社内SNSで全社に共有する文化があるのですが、多くの社員から「Forbesに掲載されている!」などポジティブな反響があったのです。

掲載の主目的はもちろん採用。ただ、記事を社員に読んでもらうことで、代表の考えや会社の方向性を改めて体系的に知ってもらう機会にもなります。

もともとオープンに情報共有をする文化のある当社ですが、第三者の目から執筆・編集された記事ということもあり、社員には新たな気付きもあったのではないでしょうか。また、家族や友人に記事を共有して「ここで働いているんだよ」と伝えてもらうきっかけにもなると感じました。

掲載2年目には追加記事の作成を進めました。2本目としてForbes JAPAN CAREERに掲載された記事は、クライアントである株式会社KADOKAWA様に協力いただき制作したもの。

アバナードの2本目の掲載記事はこちら>>
「非合理的」が、最大の強みである──KADOKAWA未踏の挑戦を支えたアウトローなコンサル集団とは

アバナード初の「クライアント名を開示した記事」だったため、社内からも「KADOKAWAとプロジェクトをしていたんだ!」という驚きの声が挙がるなど反響が見られました。

候補者に、より具体的にアバナードがどんなプロジェクトに関わっているのかを伝える際に役立つ記事になったと思います。また、記事はエージェントの担当者にも共有することで、当社のプロジェクトの具体例や最新の動きを知ってもらっています。エージェントに当社への理解度を深めてもらうことは、質の高い紹介にも繋がるはずだからです。

Forbes CAREERを導入し得られた効果を話す、アバナード社 採用担当 三井氏

採用は「草の根活動」。短期スパンの成果だけにとらわれない視点が大切

採用担当者は、まだまだ「1つの施策からの直接的な応募数や採用数」だけを追ってしまいがち。ただ、Forbes JAPAN CAREERのような媒体に掲載する際など転職潜在層に対してアプローチする際は特に、直接の応募数や採用数だけを指標にしていてはいけません。

なぜなら、記事を読んだ候補者が別の媒体から応募してきたり、エージェントから紹介される候補者とのマッチング度合いが増したりといった効果に繋がることもあるからです。

だからこそ、たとえば「Forbes JAPAN CAREER掲載中に、自社サイトのPVがどれほど増えたか」「滞在時間がどれだけ長くなったか」など、応募数や採用数以外の関連指標もあわせて追うことで、効果を測るべきです。

当社も4年で400名採用という急拡大を遂げてきたわけですが、順調な採用を続けるための特効薬はありません。畑仕事と同じで、種まき・耕す・刈り取るといった「草の根活動」に尽きます。

今まさに転職を検討している、転職顕在層の候補者が登録しているサービスに出稿した方が、多くの採用ができてスピードが速いのは当たり前。ただ、その畑に種を蒔き続けるだけではいけません。

採用に結びつくまでに半年から数年の時間は掛かるけれど、会社の知名度向上や社員のエンゲージメント向上にまで効果を及ぼすような採用施策にも、積極的にチャレンジするべきだと思います。

長期的視点で見たときに採用に繋がる種も蒔いておくことで、転職潜在層に目に留めてもらう機会が増えるからです。

今後も継続的に採用を続けていきますが、決して採用数の目標だけを追うような採用活動はしません。会社にとって採用は重要な決断。

一方で、候補者や候補者のご家族にとっても、転職は人生や生活を大きく揺るがす出来事だからです。「この方が、今のアバナードに入って幸せになれるのか」をしっかりと見極めた上で採用することを心掛けていたいと思います。

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